元々写真嫌いの瀬川様。
とことん拒否していたらしいんですけど、あのドーナツを食べた瞬間だけ、瀬川様が笑顔をカメラに向けて見せてくれたそうで。
本当、瀬川様もカナコさんも、甘党ですわね。
「関係あるんじゃないんですかァ先輩」
「…だからどうしたクズ」
「クズ言わないでくださいよォ先輩。
俺の聞いた噂、全部当たっているんでしょォ?」
珍しい光景ですわぁ。
一光お兄様が、瀬川様を負かしているのは。
いつも一光お兄様が負けておりますからね。
「…宇佐美先輩。
宇佐美先輩みたいな無能な人でも出来る仕事、頼んでも良いですか」
「ん?何?」
無能と言われたのを気にしない一光お兄様。
器が大きいと言うか、それとも気が付いていないのか。
前者であってほしいですわねぇ。
「宇佐美財閥の人、お借りしても?」
一光お兄様だけでなく、コウちゃんにも言う瀬川様。
「宮野を探します。
桜が宮野を連れて行ったのは、元を辿れば僕のせいですから」
「了解。光一もお願いね」
「よろしくお願いします」
「固くなるなよ瀬川。
俺ら幼馴染じゃん?」
「……」
素直じゃない瀬川様は、
お礼を上手く言えないようです。


