わんこは、お腹いっぱい食べて眠っていた。

部屋でゆっくりしていると、ユアが遠慮しながら聞いてきた。

「あの、こんなこと聞くの、よくないと思ってるんですけど…」

言葉を探すように、少しまごまごしている。

「ハランダ村のナタおばさんから聞いたんですけど、ヤノウくん、つらい過去をもってるんですよね。」

あぁ…。喋ったんだ……。

「その…聞きたいな…っていうか、あの、言葉、変ですよね?!だから、その…」


「いいよ。旅をしていくうえで大切だ。」

ベッドの隣をポンポンとたたいた。

「ここ座りなよ。」

「はい。」

座らせると、静かに語った。