コンコンとノックの後に、ママが入ってきた。


ベットに座って、ママが頭をなでてくれながら
「最近、胡桃が元気ないから、パパがすっごく心配してるよ(笑)好きな人でも、出来たかな?」


「ママ…。」
ベットに起き上がって、座ったまま、ポロポロ泣いてしまった。


「相手は、この前お弁当作ってあげたイケメン君かな?」


こくん…と頷く。


「相手は…、無愛想なセンパイ君かな?」
なんで分かるの?って顔をすると。


「これでも一応、恋愛のセンパイだぞ?女ったらしに惚れちゃったのも(笑)」
笑いながらいった。


「類センパイが好きだなって分かったのは、最近なの。
そしたら、女ったらしだったセンパイが、全く遊ばなくなったって…。きっと好きな女の子が出来たんだって。類センパイ最近、私の友達と、とても楽しそうに話してるの。きっとその子の事が好きなんだろうなって…」
言ってて、どんどん涙が溢れてくる。


「ママは、そのイケメン君が誰を好きなのかは分からないけど、気持ちを伝えないで諦めるのは良くないと思うな。それってね、1番後悔が残るし、いつまでも諦めきれないんだよ。」


「ママもそうだったの?」
思わず聞いてみると。


「パパには内緒よ?実はママね、女ったらしで最低だったパパに助けてもらった事があって、好きになっちゃってたんだ…。もちろんパパは覚えてないんだけどね。」



「それって、いつ?」
私が聞くと。


「ママがまだヤンチャする前。好きでもない男に犯されそうな所を助けてもらったの。あのルックスでカッコ良かったでしょ?そりゃもう、ノックアウトだよね」
笑いながら話してくれるママは、いつもは綺麗なのに、すごく可愛い感じだ。