「ハズレ~。なんであんな女ったらしなセンパイ好きになんなきゃいけないのよ。胡桃ったら見る目ないんだから…。」


「おい‼」


思わずイスから立ち上がると。


グイッとネクタイを掴まれた。


「私はね、ずっと佐竹を見てたんだよ。」


「はっ?いやまて、俺まだ失恋したての…。」


慌てる俺にニコッと笑って。


ネクタイをグイッと引っぱって、俺の左ホホにキスをした。


「このくらいで赤くなるタマじゃないでしょ?これからは胡桃に遠慮しないでガンガンいくからね。覚悟してね?」


そう笑うと、カバンを持って教室を出て行った。


え?
てか、アイツ、俺が好きだったのか?


全く気づいてなかった…。


そんなにすぐ気持ちはかえられないけど、誰かに好かれているってのは、今の俺には救いだな…ってか。


「俺よりカッコイイんじゃねぇか?むかつく…(笑)」


気づいたら、気持ちもスッキリしていた。


誰かにガツンと言われたかったのかな、俺…。


俺もカバンをとると、慌てて教室を出て行った。