「私…、類センパイが好き…」
口に出したら。


「ん、よく出来ました。」
ナデナデと蓮人が頭をなでてくれる。


「でも…、類センパイは、楓ちゃんが好きなんだよ?」
言葉にすると、一気に寂しさにおそわれて、ポロポロ泣いてしまった。


好きだと自覚したとたんに、失恋なんて…。


「それって影山センパイがそう言ったの?楓ちゃんは、影山センパイが好きだって言ったの?胡桃の中だけで自己完結しちゃダメだよ?佐竹くんみたいに、気持ちを伝えてからでも良いんじゃない?」
舞ちゃんも、私をイイコイイコしてくれた。


「そうだぞ~。じゃなきゃ俺も可哀想じゃん(笑)ちゃんと気持ち伝えてスッキリして、ダメだったら俺がもらってやるから(笑)」


「う~、もらうって、物じゃない~。でも、ありがとう、蓮人。」
涙でぐちゃぐちゃの顔で見上げたら。


オデコにチュッとキスされた。


「な…なっ…。」
ビックリして、あわててオデコを押さえると。


「ん?胡桃がんばれの、おまじない?」
しれっと蓮人が言った。


「がんばれよ?」
わしゃわしゃと髪をなでて、二カッと笑った蓮人に。


「好きになってくれて、ありがとう。応援してくれて、ありがとう。」
と言ったら、おぅ…と笑ってくれた。