放課後。


私は、蓮人と舞ちゃんと一緒に、帰り道にある公園に来ていた。


「最近、胡桃、元気ないよね。原因は…影山センパイかな?」
舞ちゃんに言われてドキッとした。



類センパイの名前が出るだけで、ギュッと心臓が掴まれたみたいな気持ちになる。


「…好きなのか?影山センパイの事…。」
蓮人がそう言った。


好き…?


「類センパイが、他の女の子に笑ったりするのがイヤなの…。楓ちゃんの事、好きなのかなって思うと…ね、ギューッて苦しくなるの…。なんでなのかな…?」
エヘヘ…って笑うと。


「俺は、胡桃が影山センパイと話してたり、嬉しそうにしてるとイヤだよ。それは、胡桃が好きだからだよ。」
と言ってギュッと蓮人に抱きしめられた。


「蓮人?」
パニックになりながら、腕の中から抜け出そうとすると。


「胡桃は?俺の事…好き?」
頭の上から、小さい声が聞こえてきた。


「好きだよ…?」
私が言うと。


「でもそれは、友達としてだろ?俺は胡桃とキスしたりしたいけど、胡桃は俺とキスできる?」
そう言うと蓮人が私を離して、上を向かせた。


完全に思考が停止している私に、蓮人が顔を近づけてくる。


「ほら、出来ないでしょ?」
ピタッと止まった蓮人が、私の頬に指をあてた。


「あ…あれ?」
私はいつの間にか、涙を流していたみたいで…。


「俺、胡桃が好きだよ。でも、ちゃんと胡桃が影山センパイを好きって自分で認められたら、俺は胡桃を応援するよ?」


類センパイが…好き。


分かってしまったら、ストンと心に落ちてきた。