「はい。」
そう言ってから、胡桃をお姫様だっこした。
「行くぞ。」
影山センパイがジッと見ていたけど、気がつかないフリしてリビングを出た。

「蓮人~。重くない?大丈夫?私うざいでしょ……ゴメンねぇ……(泣)」
目をウルウルさせながら、下唇をかんでる。


「バカだなぁ~、うざくないし、重くもないし、俺だって好きで胡桃抱っこしてんだから大丈夫だよ。」


「ありがと……」
ギュッと俺の制服のシャツを掴むと、スースー寝息をたて始めた。


胡桃の部屋に来て、そっとベットに降ろす。
布団をかけてやると、相変わらず規則正しい寝息が聞こえる。


ついつい見入ってしまう。


今日は、ケンカが強い事や慎さんの妹、はたまた総長・副総長の娘で、酒に弱くて、甘えん坊な所……いっぱいの胡桃を知ったな。


「可愛いな、胡桃は。」
ベットサイドに座って頭をナデナデしたあと、前髪を払って、そこにキスをした。


「俺を惚れさせたこと、覚悟しとけよ。」
そう言って胡桃の部屋を後にした。

(蓮人side 終)