「俺はなぁ、こういう卑怯な事が最高嫌いなんだよなぁ~。胡桃がどうこう以前になぁ!!ふざけた事やった奴らは、それ相応の説教くれてやらねぇとなぁ~」


もうドス黒いオーラしか見えない……。


「関係ねぇって顔してる、類や智樹、翔もだからな?こういう事おきねぇように出来ねぇテメェらにも問題があるだろうが!!俺がいなくなったからって調子のってたんじゃねぇか?そんなんじゃなぁ、そこの蓮人にトップ譲った方がいいんじゃねぇのかぁ?」


ヤバイ!!
もう、お兄ちゃんってば、無差別攻撃に入りそう!!


類先輩達も、ピクリとしたのが分かって、私は慌てて、お兄ちゃんに駆け寄った。


「お兄ちゃん、待って!!私、大丈夫だったんだから、ね?チャラ男先輩達、全然強くなかったし、こうやって囲まれるのも、なんでか結構あるし……。私が嫌だったのは、パパやお兄ちゃん達みたいなカレカノの付き合いをバカにされたのくらいだから!!」
ね?と、お兄ちゃんを見上げて抱きついた。


とたんに、お兄ちゃんのオーラがゆるむ。

「……分かったよ。胡桃が大丈夫ならな。ただしだ」
いったんお兄ちゃんは私から離れると。


「今度、胡桃だけじゃねぇ、他の奴らにも、こういうふざけた事してみろ、テメェら全員殺すからな(笑)」
1人のチャラ男さんの脇腹を蹴飛ばした。


あっ、嫌な音したな~。
きっと折れちゃったろうな……。


「てかオメェらも情けねぇなぁ。たった1人の可愛い胡桃に簡単にやられちまって。男としてプライドずたずただろうなぁ……。なんなら、全校生に教えてやってもいいんだぜ?女の子に負けた弱い僕ちゃん達ですってなぁ~(爆笑)」


お兄ちゃん、もう超真っ黒オーラですね……。


青ざめながら、チャラ男先輩達と女の先輩達がいなくなった後。


「類。」
お兄ちゃんが類先輩を呼んだ。


「今回は胡桃だったから、最悪の事態は免れたが、しっかりカス共を監視できてねぇお前らにも問題がある。女遊びも結構だが、やるべき事はしっかりやれ、分かったか?」


悔しそうに唇を噛んでる類先輩。


智樹先輩だって、いつものチャラチャラした感じではなくて、とても真剣だ。


あぁ、本当にお兄ちゃんって、スゴかったんだな……。


「いやー、さすが慎、あっという間に解決だなぁ~。」
ケラケラと勇翔君が笑いながら近くに来た。


「ふざけんなよ勇翔!!面倒くせぇのばっか押し付けてくんなよな!!」


「うるせぇガキんちょが!!俺が手出したらクビになっちゃうだろーが。そんなんなったら、どんだけ悲しむ女子生徒がいるか……」


「1人もいる訳ねぇだろ!!」


2人で不毛な争いをしている中。


「まさか慎さんの妹とは思わなかったな。」
蓮人が話してきた。


「私も蓮人が、お兄ちゃんと知り合いとは思わなかったよ。」
と話していたら。


「じゃあ解決したし、みんなで和馬んちに行くかぁ~(笑)」
勇翔君が宣言した。


は?
みんなって誰?


「いろいろつもる話もあるだろ!!ほら、影山達や佐竹も行くぞ!!」


勇翔君に乗せられて、みんな、あれよあれよと学校から出て、なぜか私の家に行く事になってしまった……。