私達には、なんて事ない光景だったんだけど。

周りの人達は、そうは思ってなかったようで……。



放課後、3人で帰り支度をして教室を出ると。


「桜本さん、ちょっといいかな?」
あまり見たことないから、他のクラスかな?な女の子達に話しかけられた。


「なぁに?」
「ここじゃチョットね……。
あっちで話さない?」


なんか昔もあったようなのかな……。
でも、逃げても何回も来そうだな……。


「胡桃ちゃん……」
ちょっと涙目の由梨ちゃんに、「大丈夫」と言って、ついていった。


連れてこられたのは、屋上だった。
うわ、なんか、たくさん居る……。


「ていうか、貴女なんなの?」
なんなの言われても、なにがなんだかサッパリ……。
「なに影山くんや松岡くんに取り入ってんの?」
ドン!!って感じで両肩を押される。
なんだろう……。
なんで私は、いつも、こう取り囲まれるのかな……。
「自分の顔見た事あるわけ?あの方たちと一緒にいるなんて、おこがましいんだよ!!」
(本当は、すっごく可愛いんだよ!! いわゆる負け惜しみなのですよ~。)
その後も、散々言われ続ける。
あげくに。
「二度と、あの方たちの近くにいけないようにしてあげるから。」
あ、なんか凄く嫌な予感……。
「え~?こんな可愛い子、やっちゃっていい訳?」
見るからにチャラそうな、お兄様達が5人いらっしゃった。
「二度と学校に来れないよう、めちゃくちゃにやっちゃって!!」
うわ~、女の集団って怖いわぁ~。
じゃなくて!!
せっかく入学したばっかりなのに、もう来れなくなるとか困る!!


「丁重にお断りします。」
私が言ってしまった言葉は、火に油だったようで……。


「早いところ、やっちゃって!!」


さっきから、やっちゃってしか聞いてないわ……。


「こういう強気な子、好きだわ~。
大丈夫、気持ちよくしてあげるからね」
気持ち悪い顔で言われても……。


「いや、気持ち悪いんで。」
ハッと口を押さえるも、やっぱり後の祭りというやつですよ……。


「女の子だから優しくしてやるかと思ったけど、あんまふざけていんなよ?」
一気に目つきが変わる、お兄さん方。