「胡桃ちゃ~ん!!」
廊下を歩いていると、姫奈先輩が手をふっている。


「姫奈先輩!!」
私も、ぶんぶんと手を振る。


隣で舞ちゃんと由梨ちゃんも、ペコンと挨拶している……というのが、この頃の私達の光景。


そうすると、必然的に……。


「胡桃ちゃん、今日も可愛いね♡」
「智樹先輩、会う度に分かりきってるお世辞はいらないですよ。」
ニッコリと黒い笑みをすると。


「ちゃんとお世辞って分かってるんだな。
ちょっとは、お利口になったんだな。」
と、類先輩が言ってくる。


なんだろう、2人して、私にケンカ売るのが楽しいのかしら……。


「胡桃、スゴイね!!
よく先輩達と怯まないで喋れるね。」
舞ちゃんが目を丸くしてる。


「そんな舞ちゃんも可愛いよ♡
今度デートする?」
智樹先輩の軽口に、
「あはは……。」
と苦笑している。


そんな様子を、翔先輩は、ただ静かに見ている……。