てのひら


郁が男の子のことを苦手になってしまったのは、中学2年生の時からだった。

郁は、普通の男の子が見れば美人だと言う、
きれいな顔をしており、身長も157cmと、
特別高いわけでもなかった。

クラスや学年だけでなく、他学年の話したこともない人から告白されたこともあった。

だがある日、一人の…
少しかっこいい高身長な先輩に告白され、
話したこともないからと、いつものように
郁はその場で断った。
友達から始めましょう、と、またこれも
いつものように連絡先を交換した。

これが事の始まりだった。