家に着いて、部屋に入るとすぐに、
郁はベッドに寝転んだ。
今日も廊下ですれ違う男の子にビクビクしながら歩いていたので疲れ切っていた。
普段ならもう落ちているところだが、
ラインのことを思い出し、スマホを出した。
ラインの内容はこうだった。
『俺はなんも怖いことしないよ。
本当に郁さんと仲良くなりたいんだ。
友達からお願いします。』
「…え、待ってよ。バレてる。なんで?!」
誰にも一言も言ってないのに、好也は
郁が男の子が苦手だということに自分で気づいていたらしい。
きっと、心配してくれての一言だった。
でも郁の中では、好也に対して
この時『怖い人』ってレッテルが貼られた。
返事に多少悩んだが、すぐに返信した。
『なんで怖いことしないよって、
はっきりと言い切れるんですか?
ごめんなさい、怖いです。』
(あーあ、絶対明日クラスで愚痴られる。)
