教室の中は寒くなり 俺は帰ろうと重い足で立つ。 もう早見さんは戻ってこない。 そう心の中で呟くと 教室の中でメロディーが流れ出した。 「…え?」 キョロキョロと教室の中を見渡すと その音楽は机の上のスマホのものだった。 「これ…早見さんの?」 遊園地で流れてそうなメロディーは 少しの間鳴り響き、そしてパタリと 静かになる。 「もしかして、これ取りにきたの?」 俺は早見さんのスマホを手にとり ポケットの中に入れた。