次の日。
私はいつも通り家を出て、学校を目指して歩いていた。


「おはよー、みよりん!」


そこに、ソータが現れる。


「ソータじゃん。今日は遅いじゃん、どーかした?」

「んー...ちょっと寝坊?つーか、妖狐のことについて調べててさぁ...。」


なるほど、私に弁解すべくって訳か。


「で、何か分かった?」

「えーっとね、妖狐には2種類いるんだってさ。」

「2種類ねぇ。どんなのとどんなの?」

「善狐と野狐だって。善狐は良い狐で、野狐は悪い狐らしいよ。」


なんというか、表面上過ぎてなんとも言えない。


「いるなら善狐がいいよなー。」

「いるならね。」


ソータ目を輝かせている。
出会ったら驚いて失神するくせに。


「ここの神社ー。」

「神社のどこにいんのよ。」

「んー...奥?みよりん、興味出てきたんじゃない?」

「んなわけないでしょ。」


奥、というこれまたざっくりとした説明に溜め息さえ零れる。
ソータは妖狐のことを知りたいのかなんなのか。