『ママっ…パパっ……何でっ……何で…私を置いていっちゃったのっ…?』

先週の水曜日大好きな両親が、
突然交通事故で亡くなった。

お葬式のお金やお通夜の時とか、パパのお兄さんが全て世話をやいてくれた。


『パパとママがいない生活何てやだぁ……っ……うっ…ひっく……。』


パパとママは凄く明るくて、
穏やかな両親だった。

自慢の親だった。

大好きな両親がいない生活何て考えた事がなかった。
……私は、これからどうしていけば良い…?

お金もなければ、行くあてもない。

一気にそんな不安が募った。



そんな心配を抱えつつ、お通夜もお葬式も済ませた土曜日。

パパのお兄さんは私に言った。


『はい、ゆずちゃん。……ここはね、僕の親友の家でね。ゆずちゃんを引き取ってくれるって言ってくれたんだ。』


そう言って、パパのお兄さんはメモを私に差し出した。

そこには、住所と電話番号、地図が書かれていて。



『…あ、ありがとうございます…。』

『大丈夫だよ。思い出して辛くなっちゃったら、電話して良いからね?』

『はい…。ありがとうございます…。』