「綾斗君?!…それに優斗君も…!」
二人の話によれば、私を拐った男たちが拓斗君にやられている時からもうここにいたみたいで。
つまり、拓斗君の告白も私の告白も聞いていたという事になる。
(なにそれスッゴく恥ずかしい…。)
恥ずかしがる私とは反対に拓斗君は平然としていて。
挙げ句の果てには私の肩を抱き寄せて二人にこう言い放った。
「俺の彼女。」
か、かか…彼女だなんて、実感湧かないなぁ。
「「俺たちも狙ってたけど、しょうがないな。譲るよ、イヤだけど。」」
「お前ら声揃えてそう言う事言うなよ。少し萎えただろ。」
いつもの日常的な会話…ではないけれど、春川兄弟らしい絡み。楽しい人たちだなぁ。
そんな彼らを見て、私はクスリと笑った。
「ゆず、帰るぞ。」
拓斗君が大きな手のひらを私に差し出す。
それを私は離さないように握った。
「うんっ…!」
私には帰る家がある。温かい家がある。
家に帰れば、温かい人たちが私を迎えてくれるの。
パパ、ママ、私は今幸せです。
……そして、彼氏が出来ました。
その人の名前は、
「拓斗くん!!」
「何だよ。」
「何でもないっ!」
「ばーか。」
私は、拓斗君の彼女。
※家に帰って、二人は優斗君にこっぴどく叱られました。
end―拓斗ver.―



