「君がゆずちゃんかぁ~。いやぁ~話は聞いてるよ、ささ、座って座って。」



連れてこられた校長室。
校長先生にソファに座るよう促された。


……思ったより若い先生だな…
ざっと30の後半あたり…?


優しそうな人…。


「えーっとね。……あ、ようこそ桜葉学園へっ!!」


は?え?
この人大丈夫?!

今、思い出したかのように言ったよね?!
こんな人が校長先生で大丈夫なの?!


「あぁ、大事な事忘れてたよ。
制服、制服っと。」


またまた思い出したかのように言って、近くにあった箱を私に差し出した。

お礼を言って受けとる。
中を見てみると、そこには制服とローファーにセーター、ベスト、靴下……

教材やスクールバッグとか。

学校で使用する物が全て揃えられていた。


特に……制服何か…、



「……可愛い…」



自然とそんなことを言ってしまった。

声に出してしまうほど、この学園の制服は可愛かった。

青色のチェック柄のスカートに同じ柄のネクタイ。



「良いでしょ?その制服。自慢の制服何だよね~。けっこう評判良いしね。」

「へぇ~…。」



そりゃ、評判良いよね。
こんなに可愛いんだから。
制服に見とれてる私に校長先生は言った。



「本来なら、テストとか受けてから入学を決めるんだけど、ゆずちゃんは特別ね。

春川とは高校時代から仲が良いんだ。

……あ、ちなみに。

ゆずちゃんは1-A組ね。
制服に着替えて、あとはそのクラスの先生の指示に従って。オッケー?」



1-A組かぁ…。

ていうか、校長先生ってけっこう明るい人なんだな…。

意外と優しかった。



「分かりました。ありがとうございます。」

「いーえ。じゃぁ武司君さ、ゆずちゃんのことA組まで連れていってあげて。」



校長室まで連れてきてくれたあのお兄さんに頼んだ校長先生。

……武司って言う名前何だ…。

武司と呼ばれたその人は校長先生に一礼し、校長室から出るよう私を促した。