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あれから数週間がたった。
今日は文化祭当日。


私たちは今、リハーサルをやっていて。


「…ねぇ、俺の事好きなんでしょ?」

「…ち、ちがっ…!!」

「何で嘘つくの?」

「そ…れは…っ…」


私と綾斗君の演技をクラスの皆が真剣に見つめる。



「…それとも先輩の方が好き?」

「……、」

「……そっか…、ごめん。変に言い寄ったりしてごめんね。忘れて。」

「……ま、待って…!!!!」



綾斗君が振り返った。

……胸がドキドキする。
だけど、これは演技でしかない。

ドキドキしてる場合じゃないよ。


「……違うの…ほんとは…貴方が…、」

「…俺が?」

「……す…す、好き………好きっ……」


……で、これで抱き締められてキスで終わる…と。


「おー!!いいねー!!出来上がってるよー!!」


…褒められると、照れるなぁ…。