ー…。


あの通り魔事件を境に、永瀬健は毎日家まで送ってくれるようになった。


相変わらず委員の仕事はしないんだけど。


腕の傷は出血の量が多かったのにも関わらず、すごく浅かった。


私が襲われかけたあの通り魔も先週無事に捕まったみたいで、一応一件落着ってところ。


ーあれから一ヶ月ー


だ…大事件よ…!


自覚したくないけど…。


好きになっちゃったわ…。


永瀬健のこと。


だ、だってあんなに優しいところとか知らないし、家まで送ってもらう間にドキドキすることいっぱいしてくるし、話すと楽しいし…。


最後には家に帰ってから永瀬健のことを考えてしまう始末。


どうしちゃったのよ、私〜!!


「何やってんの、いいんちょー。」


びっくぅぅ


私が一人で悶えていると、永瀬健が大量のプリントを抱えて帰ってきた。


「べっ、べべ別に何も?」


「ふーん。あ、これ今日の仕事だと。」


「ありがと。」