時刻は十一時半過ぎ。 始業式だけだから、わりと早く終わった。 一人、誰もいない廊下をトボトボと歩く。 廊下に響く靴音が、私を余計暗い気持ちにさせた。 「何なのよ、もう……。」 そんな中、今日アオイに言われた言葉を思い出す。 “人らしく生きたいのなら、二度と山には来るな。” 人らしくって……? 私は人間だよ。 どういうこと……? 頭がモヤモヤして、無性に苛立ったときだった。 「山添さん!!」 昇降口を出ると、誰かに名前を呼ばれた。