「警察の人が言うにはねぇ、亜希が哲郎さんを連れて、車ごと海に飛び込んだらしいんよぉ……。」
「……哲郎さんの方は、何とか奇跡的に助かったみたいやけど……亜希、亜希はなぁ……っ。」
七月三十一日
七月最後の日の夜のこと。
お母さんは哲郎さんと二人、夜の海に消えて
お母さんだけが、命を落とした。
私を残して
「どうやら亜希は……無理心中を、図ったらしぃ……。」
お祖母ちゃんの口から零れた、そんな言葉。
八月一日の朝
電話を貰って飛んで来たお祖母ちゃんは、医者や警察の人とたくさん話をして
お母さんの遺体を見て、そして泣いた。

