その言葉を聞いてか、中本さんの腕がピクンと動く。
「どう、だろうね……。」
「中本さん!! 大丈夫ですかっ!?」
薄く目を開いた中本さんと目が合う。
初めてよく見た中本さんの目は、お母さんが幸せそうに私に見せてきた、二人で写る写真の目と同じ目だった。
「……デキ婚だったんだ。」
「何も話さないでください! 血がっ……!!」
「……それでも…………僕は亜希を愛してた。」
目から涙が零れて、中本さんがよく見えない。
ただ、私がいくら話すのを止めてと言っても、中本さんは話すことを止めなかった。
私の腕を弱々しく掴み、さっきとは打って変わった柔らかな微笑みで私を見る。

