【完】狼様の最愛。









「俺は大丈夫だっ! アイツは……あの男は!?」



「中本さん!!」





アオイの頭にハンカチを当てながら、私は煙の向こう側に声をかける。





「うそ……死んじゃった、の……?」





いくら最低な人間だとしても、彼は私の父親であり、お母さんが愛した人。



そして何より、同じ命を持つ生命体だ。



死んでほしくない。





「……まだ生きておるぞ。微かに息がある。」





今まで窓際に立っていたカミリさんが、長い尻尾を揺らしながら私達の元へとやって来た。





煙が嫌なのか、相変わらず扇子を口元に当てている。





「……無様だな、マリンよ。」



「うるせぇ……クソ栗鼠。」



「今は狐じゃ!」