その目は私までもがゾッとする、恐ろしい視線を中本さんに放っていた。
「あ、あおい……っ。」
「大丈夫だ、最愛は離れてろ。」
アオイは私から離れて、中本さんへと走っていく。
「あぁ……君……。あの時の狼君かぁ。だから8階のここまで上って来れたんだね。」
まるで何ともないように、のんびりと話す中本さん。
そんな中本さんが、後ろ手でスタンガンを用意してるのが見えた。
「アオイ! 危ない!!」
「行ってはならぬ。」
駆け出そうとした私の体を、誰かが後ろから包み込んだ。
フサフサとした毛並み、視界に入る栗色の尻尾。

