【完】狼様の最愛。









「哲郎さんを、助けて。」





お母さんの言葉に、私は返事をすることができなかった。





“お願い”と“ごめん”の二つの言葉が、頭の中でグルグルと回る。





「…………。」



「最愛……。」





離れていたはずのお母さんがふと私に近づき、私の頬にソッと触れた。



それはこの世の者とは思えないぐらいに冷たい。





私は触れられて改めて、お母さんはもういないことを実感したのかもしれない。





「お母さん……死んじゃったの……?」



「……ごめんなさいね……。」





見えない顔で、お母さんはきっと泣きそうな顔をしている。





つい三ヶ月前まで、確かにお母さんは私の目の前で笑ってたのに……。