【完】狼様の最愛。









「クソ……嫌な臭いだ……っ!」





バス停から家とは真逆に伸びた最愛の残り香。





それを頼りに俺は、最愛の元へと足を速めた。








「……死ぬ気か、あやつ。」





そんな俺を見ていた一匹の動物。





「あやつが自分で思うより、命の残りは少ない。」



「最早人間の姿を保つだけで、命は削れていくというのに……。」





最愛の残り香を追うことに必死な俺は、気づかなかった。





「にしても、あの人間は気にくわぬ。儂から奪ったおなごに、あのような最期を迎えさせるとは……。」





「八年前の御礼もすねばならぬ。」





冷たい瞳を輝かせた、カミリの存在に。