「嫌な予感がする……。」
「「え?」」
鼻からの臭いに集中させる。
嗅ぎ慣れた最愛の匂い。
……そして。
少し離れたところで香る、この前会ったあの男の臭い……。
「ヒルナ……マンタ……。少し出かけてくる。遅くなるだろうから、山を頼んだ。」
手の平をグッと握り、今にも暴れてしまいたい気持ちを抑えた。
「いきなり何言ってんだよ、アオイ様。体調良くないんだろ?」
「そうです、アオイ様。何の御用かは知りませんが、陽も沈んで来ています。また後日にしては……。」
何も感じなかったヒルナとマンタは、当然のごとく俺を止めようとする。

