それから一週間ぐらいは何もなかった。
至って平凡な日常。
逆にいうと、一週間ぐらいが経って事は起きた。
「最愛。」
その日は月曜日で、学校の帰り。
「中本、さん……。」
アオイとヒルナと別れて、家に帰る途中。
本当は山に寄ろうかと思ったけれど、今日はアオイの体調が良くないみたいだから、遠慮して寄りはしなかった。
まさかその判断を後悔するとは思わず。
「中本さん、って……他人行儀だなぁ。“お父さん”って呼んでくれたらいいのに。」
こっちにへと近づきながら、微笑む中本さん。
その笑顔に、私は背筋がゾッと寒くなった。

