【完】狼様の最愛。









そのおかげで少しだけ息が整う。





「……中本さん。お祖母ちゃん達から門前払いを受けたなら、今日はもう帰って下さい。……私から貴方に話すことは、何もありません。」





その言葉はちゃんと、相手の目を見て言った。





私の目の前にいるのは、中本哲郎(なかもと てつろう)。



私の父親……らしい。





お母さんが愛した人……。





「………。」





彼は何も言わない。



呆然と、私達を見ている。





「……最愛。日が暮れて来た。」





アオイの言葉で、空が赤くなって来たことに気づく。





あまり長居しては、アオイの姿が狼になってしまう。