「もう十時か……ヤバいな。最終バス行っちまったぞ……。てか嫁からの着信の方がやべぇ……。」





あれから私はまた泣いてしまい、私が落ち着いたのは十時を過ぎた頃だった。





「パパ……勲友達、どこで寝るの?」





勲友ちゃんが先生の服の袖を引っ張る。





「んー、どうするかな? とりあえず母さんに電話して、一緒に怒られるか、勲友。」





先生は余程、奥さんが怖いらしい。



ただそうやって冗談を含む辺り、勲友ちゃんに不安を与えないように気を使ってるんだろうなと思った。





「お兄ちゃん、あたし達は?」



「……とりあえず山下りて、母ちゃん達に電話しねえと。もうとっくに家に帰ってるだろうし。」





悠ちゃんは梟や森の動物の鳴き声が怖いのか、遥にピッタリとくっつていて



遥は圏外な携帯を見て、ハァっと溜息をついた。