「悠ちゃーん。いたら返事してー!!」
それから探し始めて約三十分。
午後八時
月は木で隠れて辺りに光はなく、空も黒一色というやつ。
青みが少しあるも、暗さに変わりはない。
それに、山の夜だ。
「寒い……。」
寒さが尋常じゃない。
残暑は過ぎ、本格的に秋が始まろうとしてる季節。
そんなときの山の夜は、本当に冷える。
「悠ちゃん……いるなら、出てきて……っ!」
山の寒さと空の暗さで、声がだんだんと小さくなる。
気分が悪い。
今すぐにでも帰って、布団に入りたい。
お祖母ちゃんとお祖父ちゃんにただいまって言って、おかえりって出迎えてほしい……。

