【完】狼様の最愛。









ひとしきり飛べば、小鳥は出口の方へと向かって行く。





“雛が帰る”





何故か咄嗟にそう思ってしまい、気付けば声を上げていた。





「雛!!」





――ピッ...





「雛、なのか……?」





振り向いた小鳥



眼に涙のような雫





それを見て俺は〝あぁ、雛なんだな〟と、異常な状況であるのにも関わらず納得しきっていた。





「にぃにぃ、ねぇねぇピヨピヨなったねぇ。」





じっちゃんのところに行っていたはずの空がいつの間にか戻って来ていたらしく



一部始終を見ていたのか、小鳥となった雛へと手を伸ばす。





雛はその手に一瞬ビクつくも、おそるおそるというように手の上に止まって、止まってもらえた空はキャッキャと喜んでいた。





……そう言えば、雛は子供が苦手なんだっけ。



そんな反応も、雛と同じ……。








俺は頭を整理していた。





雛が、人間じゃない。



小鳥だった。



もしくは小鳥になった。