side 甘栗遥
「……うん、そう。大丈夫、空は俺が見とくし。……ん、悠も直ぐ見つけるから。母ちゃんは、仕事頑張って。……うん、じゃ、また。」
カシャンと音を鳴らせ、電話を終える。
隣にいる空が、不安そうに俺の服の裾を掴んだ。
「にぃにぃ……。」
「大丈夫だ、空。にぃにぃとねぇねぇが、絶対悠を見つけるから。」
赤坂村に向かった最愛を思い出す。
最愛と別れて、三十分以上が経った。
バスは来てなかったはず、どうやって赤坂村に行ったのか。
歩いて行く……なんてことはないと思う。
ないと思いたい。
いけないことはないだろうけど、あまりにも無茶だ。

