こんなとき思い出すのは、アオイのことばかり。
アオイの表情、香り、暖かさ、
仕草、背丈、声、言葉……。
「俺が、お前を守るから。」
今みたいに、一人じゃなくて
二人で見た、沈む夕日。
あの時、アオイが言ってくれた言葉。
「……守るって……言ったじゃん……っ……。」
私はアオイのことを、何も知らない。
住んでるところ、家族構成、誕生日、過去の私との関係。
個人的なことは、何一つ知らない。
アオイは私の弱いところをたくさん暴いて行くのに、
アオイは何も、私に見せはしないんだ。
まるで何かを恐れるように。

