【完】狼様の最愛。









「あ、沈む……。」





夕日の沈む瞬間



見たのは生まれて二回目だ。



一度目は、アオイが夕日を見せてくれたあの日。



そう言えば、あの時アオイから出ていた煙みたいなのは何だったんだろう。





沈む太陽はとても幻想的で、とても綺麗だった。





太陽の消えた空の色は、黒。



真っ黒、とは言わないけど、竹林に囲まれてるのもあってそれなりに暗い。





「……アオイ。」





心細くなって、無意識に呟いたアオイの名前。





眼から、涙が零れ落ちる。





「どこ……? アオイ……。」





探してるのは悠ちゃんなのに、何故か口は勝手に言葉を紡ぐ。





「……どこ、なの……?」





手を前に伸ばす。



掴めたのは、空気だけ。



手の中は空っぽ。