思わず、冷たい声が出てしまった。
「せっかくある好きな気持ちを、“そんなこと”に含めないで、遥。」
私の過去。
失った、私の過去。
思い出も気持ちも、全て失ってしまった。
過去の私にも、そういう気持ちがあったのかな。
私は、知りたくても知れないと言うのに。
「…………。」
「それに丘川の方も、もう一度ちゃんと探しておいた方がいいよね。丘川に詳しいのは遥だし。私は赤坂村に住んでるから、赤坂村を探すなら私が適してると思う。」
何より、夜勤のご両親が帰って来たとき、事を説明するのは遥じゃないといけない。
今奥の部屋で寝ているらしいお祖父さんお祖母さんも、悠ちゃんがいないと知ったら混乱すると思うから。
私がそう言うと、渋々納得したように遥は頷いた。

