side アオイ





午前零時



俺はあの山の麓で咆哮していた。





満月がとても綺麗で、気が高ぶる。





「アオイ様、アオイ様。」



「……なんだ、ヒルナ。」





人間の住む町からやってきた小鳥、雲雀のヒルナ。





ヒルナの住家は、この山の向こうにある河原のはずなのに、どうして人間の住む方から……?



その疑問は、一瞬で片付く。





「アオイ様、最愛は美しくなりましたね。」



「……最愛に会いに行ったのか。」



「はい。昔の面影を残したまま、とても美しい娘子になってました。」