side 崎野護





「ん……。」





眼を開けると、そこは見慣れた自分の部屋の天井。





どうやら寝てしまったらしいな……。





「うわ……やべえ、これ途中だ……。」





しかも机の上には、見るからに作りかけのテスト問題の山。



作ってる最中に寝てしまったんだ。





「今は……もう五時かよ。あと少しだし、終わらせるか。」





そう言って俺は、もう一度机にかじりつく。





生徒に出す問題を、教科書や問題集と睨めっこして何時間もかけて決める。



夏休みボケしてないか確認する為にも、少し難しいのを出すか……。





そう思ったとき、



ザクッ……と、足音が聞こえた。