河鳥さんはまるで、“しまった!!”とでも言うような顔をした。
「あ、アオイ様!? あたし、そんなこと言ったっけ!?」
「言ったよ! 今!」
「き、気のせいじゃない? あたしは葵君って言ったの! 葵君って!」
河鳥さんが、早足に正門を抜けて行く。
私も急いでその後を追った。
「河鳥さん!」
「もうこの話は終わり! ほらっ、バスが来ちゃう!」
ちょうど十二時のバスが来てしまい、この話ははぐらかされてしまった。
絶対今、“アオイ様”って言ったのに……。
少し膨れながら、河鳥さんの横に腰を下ろした。
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