「何、それ」





「まあ…ね」





休み明けのお昼休み。


ご飯を食べながら、


蓮哉と会ったことを話す。


バイト先に来たこと。


ここに来て、色々話したこと。


全部を話し終える前に、


鳴海は叫んであたしを掴む。





「それ、イケメン?」





「…イケメン」





どうだったっけ、と


思い出してみるも。


そういえば、蓮哉って


イケメンだなって。





「ちょっと妃名子だけずるーい」





「ず、するいって、別にもう会わないかも…」






その時、携帯が震え。


ディスプレイには、


知らない番号。






「誰だろう…」





「さあ?」






出るか出まいか迷った挙句。


おそるおそる耳に当てる。






「も、もしもし…」




すると、電話の向こうから。





『だから出るの遅っせえ』





「れ、蓮哉?」





若干怒ってる感じの蓮哉。


彼の名前を出した途端に、


目の色を変える鳴海。






「何で、番号知ってるの?」





『お前、もうこの前のこと、忘れてんのか』





この、前の、こと…。


頭をフル回転させて、


そういえば携帯がなかった


蓮哉の番号に電話かけて


あげたんだ、と思い出す。






「あー、かけたね、電話」





『覚えとけよ、お前。ぶっ飛ばすぞ』





蓮哉が言うと、


冗談に聞こえないから怖い。






「で、何?」





『今日夜空いてるよな?』





「ま、まあ空いてますけど」





空いてる前提で話してくるあたり、


何か予定があっても


空けさせられたんだろうなって。






『飯行くぞ』





「え、ご飯?」





『友だち連れて来いよ。俺も連れいるし』





友だちいるんならな。


なんて、嬉しそうに笑う。


なんて性格の悪い。






『ちなみに連れは木嶋さんじゃねーぞ』





「本当何なの、ばか」





『期待させると悪いからな。じゃ、また連絡する』






蓮哉は一方的にそう言うと、


勝手に電話を切った。