「泡~っ」




2人で湯船に浸かりながら、


いつも泡風呂にしてくれる。


普段こんなことないから、


いつも以上にはしゃいで


しまう恥ずかしいあたし。


なのに、こんなあたしを。





「可愛い」





と、悠太郎は言う。






「こっち、来て」





「ん」





悠太郎はあたしの手を優しく引き、


後ろから抱きしめる。





「やばい」





「何が…、ちょ、っと」





悠太郎はあたしの首筋にキスをして、


名前を呼ぶ。


お風呂の中で声が反響して、


やらしく聞こえる。





「悠太郎?」





「ん?」





「疲れてない?大丈夫?」





悠太郎が気を休める場所は、


一体どこにあるんだろう。


一緒にいて、あたしの存在は


重荷になってはいないだろうか。


常にそれが気になって、


どうしようもなくなる。







「辛かったら、言ってね?」





「妃名子がいれば大丈夫だから」





そしてまた、


首筋に唇を落とす。






「悠太、郎…あ、つい」





「上がろう」





そう言いながらも、


なかなか離してはくれない。


離そうとしては、


またあたしの体を捕まえる。


また逃そうとしては、


また捕獲する。





「だ…めっ、もう」





「妃名子、可愛い」





真っ赤にのぼせてるあたしを見て、


にっこり微笑む悠太郎。


ずるいな、もう。


こんな顔されたら、


何でも許しちゃうよ。






「出よ?本当に暑くなってきちゃったの」





「ごめん。出よう」





2人で一緒に泡風呂から出て、


一緒にお湯をかけ泡を落とし、


バスタオルにくるまれた。


のも、束の間。