制服のシャツのボタンを


全部外した所で、


木嶋さんはあたしの肌に


ゆっくりと触れた。






「っ…ぁ、」





木嶋さんのリップ音が、


聞こえる度に体がときめく。






「木嶋さんっ…」





「悠太郎って呼んで」





背中に回した手で、


器用にホックを外すと、


あたしの胸が露わになった。





「きじ…まっ、さん」





「悠太郎。呼んで」





呼ばないからだ、と


言わんばかりに、


少し強引に触れる。





「悠…っ太郎、」





必死に名前を呼ぶと、


彼は嬉しそうにあたしに


笑顔を見せて。





「可愛い」





そう言うと、


また優しく唇を重ねてくれた。


こんなに愛しい気持ちが、


この世の中に存在するんだね。


悠太郎に触れられる所に、


体が反応して。






「やっ…ん、」





「妃名子」





「悠太郎…」






あたしの初めてを、


彼は優しく包んでくれた。


まるごと呑み込んでくれた。


こんな優しさに出逢えたことが、


あたしはとても嬉しかった。


あたしはお父さんじゃない。


絶対悲しませたりしない。


こうしてあたしたちは出逢い、


4ヵ月が経とうとしていた。






「昨日も会ったわけ?」





「うん」






高3の夏、7月の初旬。


熱くなりつつあるこの季節。


教室の隅で、


親友の伊藤 鳴海と


お弁当を広げる。






「会って、家行って、ヤって。で?」




鳴海は、はっきり物を言う子。


だけどイケメンが好きで、


恋多き乙女でもある。