「嫌じゃないよ?」




こんなの絶対許されない。


そんなの分かってる。


だけど、どうしても


この人が欲しい。


そう思ったから。






「妃名子…」





木嶋さんは少し悲しそうに


微笑むと、あたしの手を引いて、


家の中に入って行った。


初めて入るこの家は、


綺麗すぎて少し異様だった。





「おいで」






先に入った木嶋さんは、


あたしを捕まえると。


リビングであろうこの場所で、


2回目のキスをした。


ちょっぴり大人のキスに、


少し戸惑いを隠せない。


木嶋さんの唇が、


あたしの首筋に移った時。





「待って…っ」





慌てて体を離した。


制服のカッターシャツの


ボタンが1つ外されて。





「あたし…、初めてだから」





初めてって面倒だって言うし。


もし嫌だと思われたら、とか


考えると不安で。






「怖い?」





「怖いっていうか…」




何て答えようか。


そう考えていると。





「優しくさせて。大切にしたい」





木嶋さんは、


あたしの目を見て、


そう言ってくれた。


この人なら、任せてもいい。


そう思ったあたしは、


こくんと頷いて見せた。






「嫌だったら言って」






もう1度頷くと、


木嶋さんはあたしの髪を


撫でると、優しく抱き上げ


ベッドの上に下ろしてくれた。






「綺麗だよ」




「あっ…」





恥ずかしい声が漏れる。


触れられる部分が、


すごく熱い。