「すまなかった・・・結局巻き込んでしまって・・・」

「ううん・・・。ルイのせいじゃないよ・・・」




でも、なんとなくわかる。
アンリの気持ち。


ずっと、側で見てきたのかもしれない。
ずっと、ルイを思い続けていたのかも。


それなのに、突然出てきた私がルイを変えてしまった。


本当は、そうしたかったのはアンリだったのかも。




「ルイ、アンリを止めよう」

「なにを言ってる」

「アンリはただ、ルイの事が好きなだけなんだよ」



本当は、傷つけたいなんて思ってない。
きっとそうだよ。




「芽衣子、生易しいことを言ってるな。もうすぐ、国王軍がここまで来る」

「え・・・」





嵐の前の静けさ。
その言葉がぴったりと似合うように、辺りは静寂に包まれている。