「そうでなくても、このままいけばどっちにしろ芽衣子は先に逝ってしまう」

「人間と悪魔の寿命は違うんだよね」

「俺が、芽衣子といられる時間は、それほどまでに短い」



私にとっては長い時間だとしても、何百年も生きるルイからして見れば一瞬なのかもしれない。





「芽衣子・・・」

「うん?」





ルイの掌が、私の頬を包む。
真っ直ぐに見つめられた瞳。




ドキドキと、胸が高鳴る。





「俺の、血を飲む気はないか?」

「ルイの・・・血・・・?」





飲めば、その寿命も永らえられるという魔王の血。
人間が、欲しがっているその血を、私が?




「そうすれば、芽衣子は俺ほどまではいかなくとも、生き長らえることができる」