魔術師は、小さく何かを呟き始める。 耳を澄まして聞いてみても、なにを言っているのかわからない。 そもそも、私の知ってる言葉でもないようだった。 呪文のような言葉を呟いた後、私の胸元に長い爪を向け、何かを書くように動かした。 動かした後、グッと私の胸元を刺す。 ドクン 心臓がドクンと大きく鳴る。 体中が、熱くなっていく。 「あ・・・ああ・・・・っ」 ドクン ドクン 鼓動と同時に体中に熱が巡っていく感覚。 息苦しくてその場に蹲った。