「・・・なぜ・・・、魔王を庇ったというのか・・・?」




エドワードが揺れる声を上げる。
それだけ信じられないことだった。

エドワードの想定外であった。



人間が、魔王を庇うなど。
ルイは人間に嫌われた孤独の悪魔である。


いくら、魔王のもとにいた人間であっても、身を挺して守ることがあるはずがないと。




「・・・おい!」




ルイが、芽衣子を抱きとめ叫んだ。
ぐったりとした芽衣子は、しっかりと瞳を閉じたまま。


ルイは、グッと拳を握る。



怒りのままにその手を振りかざす。




壁に掛けられた額縁の絵が落ち、ランプやシャンデリアが音を立て割れる。




剣がエドワードに向かって飛んでいく。





「ルイ!落ち着け!めーちゃんが先だ!」




それを止めたのは、キイだった。