サクセサーズ

アレンがリリィを抱きかかえて村に帰ると、もちろん門番が村への入り口をふさいだ。


「そこの貴様!何をしている!」


「わからないのか?倒れた村人を助けてここに送り届けに来たんだよ」


「ちょ、ちょっと…」


真実と違うアレンの答えにリリィは訂正しようとしたが、アレンが小声でぼそりとつぶやいた。


「…こうでもしないと、怪しまれるだろう。文句は後で聞く。…とりあえず、村に入れてもらいたいのだが」



「…わかった、通ってよろしい」



なんとなく不服であるが、門番はしぶしぶ通してくれた。


アレンは、リリィに言われたとおりに彼女の家に向かって歩いていった。