次の日。

私は学校に行くまで、考えてた。
あれって告白って言うのかな?
とか、いろいろ。

あ、下池君だ。
「下池君、おは、」
下池君はスッと私の横を通って、友達の方に歩いて行った。

…あれ?無視された?
それとも気付かなかっただけ??
なんで?でも、気付いてないわけない。
だって、目があったもん。

「叶っ。」
「未來、おは…って、何でそんな泣きそうな顔してるのよ!」
「泣きそうな顔してる?…そうじゃなくて、報告があります!」

私は精一杯の笑顔を作った。
絶対バレないはず。
「……なんの報告?」
「えっとね、昨日告白されたの!」
「良かったじゃん!で、返事は?」
「うん。って言った!」

「きゃー。本当良かったじゃーん!お祝いしなきゃねぇー!今日は私がジュース奢ってあげるね!」

…その優しさが、悲しいよ。
今日の事を言えない私が、嫌になってくる…。ごめんね、叶。

その後私は、叶に話を合わせておいた。

そして、何時間目か分かんないけど、放課後残ってて。と下池君に言われた。
分かった。って返事しといた。

放課後、また二人きりになった。
下池君は、私にキスをした。

軽い軽い、触れてるか分からないぐらいのキスだった。
本当かすっただけ。みたいな。

終わったら、下池君はじゃ。
と言ってまた去って行った。

次の日も昨日と同じだった。
挨拶しても、無視。
叶に、キスの事も言えない。
そして、下池君にまた、放課後残っててと言われた。
私は、また分かった。
って言った。

放課後また二人きりになった。

下池君は、私を床に寝転ばして、上から被さってきた。

それから、下池君は、私の制服のボタンを外し始めた。

それから、下池君は私にまた軽いキスをした。

下池君は私を抱いた。

行為が終わった後、
「ごめん。罰ゲームで。」
って言って、走ってった。

こんなのって、ベットとかで、愛を確かめ合ったり、するんじゃないの?

こんなあっけないものなの?
何だか泣けてきた。

初めてだったのに…すごく痛いよ…っ。

もっと、好きを言い合ってヤりたかった
こんな、軽いのじゃなくて…。

酷いよっ…。

ガラッ。
誰か来た…。
こんな姿見せたくないよっ。
制服は乱れてるし、涙で顔は濡れちゃってるし…。

けど、それは、今私が会いたくない人だった。

「し、も、いけ…く、ん。」
涙で、声が掠れる。
下池君はズカズカと私に近寄って来た。
さっきの恐怖を思い出して、
「こ、来ないでっ!!!」
って叫んでた。
けど、私の言葉を聞かず、下池君は近寄って来て、
「ごめんっ!」
って言って頭を下げた。
「別に良いから…あっち、行ってよぉ」

怖いよ…っ。
近寄らないでよ…っ!

「本当ごめんな。」
「もうっ、良いからっ。」
「さっき、罰ゲームしてた奴等に、ヤったって言ったら、殴られた。何やってんだよ!お前って。」

……。
「それで、あいつら俺が矢野になかなか告白しないから、背中押す為にやったらしくて…。本当マジでごめん。」
「…それは本当なの?また、罰ゲームなの?」
「違う!これは本当だ!俺はお前が…矢野が好き。」
「罰ゲームじゃ無いんだよね?」
「おう!ガチだ!」
「私も、下池君が好きだよ。」
「本当か?!よっしゃ。」

そう言うと、下池君は、私の乱れた制服を元に戻してくれた。
「矢野、初めてだっただろ。ごめんな」
フルフルと私は首を振った。
「良いの。怖かったけど、下池君が初めてで、良かったから…」
「…ごめんな?本当。後、矢野ってちょいちょい嬉しい事言ってくれるよな!」
「そ、そうなのっ?!」

私達は二人で笑い合った。
「そういえば、部活は大丈夫なの?」
「おう!今日はお前を送る!」
「だ、だけど…」
「いーんだ!俺が送りたいから、送る!それだけだ!」
「う、うん。それなら良いけど?」

「よしっ!じゃ帰ろうぜ!」
「うんっ!」

それから、二人で、他愛ない話をしたりして、私の家までついた。
「じゃあ…ね。」
「…じゃあな!また明日!」
そう言って、下池君は私の頭をポンポンして、帰って行った。

その日1日にやけていて、お母さんや、妹に、何にやけてんの?とか言われた事は、あえて流しておいた。