好きな人はニセ彼女。




「……ごめん、オレ城田さんのことが好きだから」



『知ってるよ、付き合ってるんだから』



クスクスッと笑う岩田さんの目から涙が落ちる前に、

彼女は目をこすった。



知ってるよ、付き合ってるんだから。


知らないよ、きっと。

オレが本気で城田さんのことが好きで

嘘でも良いからって付き合ってることなんて。



それに合わせてなんとなく、城田さんも

付き合ってるだけなんだって、オレたち以外は知らないよ。



「……でも、ありがと」